施主様の感想
建立をご依頼いただいた、神応寺 武田住職にお話を伺いました。
Q.切中建築さんへ依頼するきっかけを教えて下さい。
きっかけはそうですね鐘楼堂を改築するにあたっていう宮大工さん探したけど、近所の宮大工さんが高齢ということで、知り合い伝いに切中さんを紹介いただいた。切中さんの仕事を見て、丁寧な仕事をされていると感じました。この方だったらと思ったので依頼しました。
だから依頼するまでにすぐに頼みますというわけではなく、切中さんがされている仕事を見に行って、いろんな鐘楼堂も見に行って、打ち合わせを重ねて依頼をしました。鐘楼堂を建てるのは私どもが初めてだと言われていました。
Q.どんなところに丁寧さを感じましたか?
やっぱり施主の意見を反映してくれるっていうと、考え方切中さん自身の考え方とか、そういうのも2人で話をしてです。仕事多分一緒にしていただいたら、仕事がしっかりしているなというのは良くわかります。
うちの鐘楼堂に関して言えば、私はもう格段注文はなかったんですけど、こうしたらどうですか?ああしたらどうですかねいう提案を切中さんからいただきました。シンプルなものが私は好きです。
Q.施主の意向+切中さんからの提案があったということですね?
はい。おおよそは私の意見を反映はしてました。
こんな考え方に惹かれたみたいなところってありますか?私と歳は変わらないんですけどしっかりした技術も持ってますし、寺社建築っていうのを守りたいとそういう意識が強かったですね。
だからこの人だったら任せれるという、そういう思いでしたね。なるほど。寺社建築を守りたいという考えですね?その思いは強いと思いますね。
お寺、寺社っていうのはやっぱり木造建築というのがイメージではあるとは思うんですけど、木造のものを後世に残したいと。私の次の代にも次の次の代にもこの鐘楼が残ってくれる。
やっぱりコンクリートよりは、木の方が長持ちする。温かみがありますよね木の方が。そうですね。一番はもうその温かみと、やっぱり年月経っていくにつれて色合いというか、馴染んでくるというそういうのがやっぱ綺麗ですよね。
いろんな切中さんの仕事や考え方に惹かれたんですね?
そうですね。細かいところでも丁寧なんです。
細かいところっていうと例えばどういうところですか?ちょっとした堀や、ちょっとした木の処理などです。見えないとか見えにくいところも気を配られてるってことでそうですね?私も初めてのことで、鐘楼堂を建てるのを一から見るということはなかなかないと思いますが、その仕事も一から見ました。
実際隠れる部分もあるんですけど、その部分もやっぱり丁寧です。見えないからと言って手を抜かないということですね?そうですね。鐘楼建築にあたって、うちが出した要望というのは、向こうに100年、200年持たせて欲しいというものでした。シンプルで向こう200年持たせてくれる鐘楼の建築をお願いしますということでした。
それは達成されそうですか?
そうですね。十分と思います。
その見えない見えにくいところを丁寧に仕事をすることで、どんな良さを感じますか?
やっぱその人柄ですよね。
棟梁自体の人柄も温厚な人で、それがやっぱり仕事にもやっぱ表れてると思います。だから見えないところほど丁寧にしていただいていたら、後々持ちが違うと思います。
雑な処理よりは、丁寧な処理。うちはもうだから頼んでよかったって思います。想像以上のものがうちはできたと思ってます。
Q.実際に建てられた鐘楼堂を来られた人が見た感想とか、檀家さんの反応はどうでしょうか?
みんな喜んでくれてます。立派な鐘楼ができた。わしらの代でこれができてよかったと。なるほどやっぱりそういう声の方が大きい。
なかなかこのご時世改築新築するというのは難しいんですが、檀家さんの方も頑張ってくれたんで、その分やっぱり喜びも大きいと思うんです。ないと高さのある子供を聞かれそうですねと思いますね。生きているときにお寺の事業に関われたっていうこと自体がやっぱり多分誇りではないでしょうか。それに対して浄財を出せたということが。
紆余曲折はありましたが。
差し支えなければどういう紆余曲折があったかっていうのも教えて下さい。
浄財ですよね、何するにしてもやっぱりですね。
でもやっぱり皆さん頑張ってくれました。住職や寺の役員とかっていうのはもうただお願いするしかないんでそれを受けた檀家さんが頑張ってくれたのでいいものが完成しました。
限られたその予算でどれだけのものが建てられるかということですね。
そこも大きいですね。いいもの建てると思えばいくらでも上はあると思います。限られた範囲の中でいかにいいものを作ってくれるかは施主にとってはありがたいことです。
なるほど。そういう課題に対して切中建築さん側から提案とかそういうものはありましたか?
そうですね屋根瓦の件にしてもそうですし、ちょっとした小堀井の装飾。私がシンプルでいいといいましたが「こうした方が綺麗ですよ。」という提案をいただけました。
図面見て「これ綺麗、これでいこうか。」っていう流れでした。どんどん工事を進めるのではなく、提案をいただいて話し合いをして、納得して進めることができた。
限られた予算の中で、思っていたものよりも一つ二つ上のものができたということですか?
そうです。喜びも大きいですね。
最後に、これから寺社仏閣を建築される方、修繕される方へアドバイスをお願いします。
上はいくらでもあります。上はいくらでもあるけど、やっぱり先立つものっていうのは限られてくる。その中でどういうふうにしていいものを後世に残していくかっていうのも考えないといけないと思います。
だから、別に見えないところを、木材の安い木材を使ったりとかそういうふうにしてはいいとは思うんですけれども、そこで仕事の差っていうのが出てくる。そこの見えない部分をいかに丁寧にしてくれるか。
それによって中身も棟梁への信頼も変わってきます。一番これからされる方に言いたいのは、もうとにかくその仕事が丁寧かどうか、その一点です。施主側はいろんな要望があると思います。
そこはいろんなを提案をしっかりしてくれる人です。いいように絶対してくれると思います。なるほど。寺社建築は丁寧な仕事をするのが一番だと思います。
どうしてそう思われるんですか?
それが、お寺に来られた方に伝わる。綺麗な心が落ち着くなという雰囲気になって。
そういう建物って必要と思います。こんなご時世なんで、なかなか方心落ち着くときってないと思いますが、お寺に来て綺麗な建物や装飾を見て少しでも和んでいただく。これがお寺に来ていただく意味だと思っています。
何も供養のためだけにお寺へ来るわけじゃない。心を落ち着かせるっていうのも必要と思うんです。そのためには丁寧な仕事をしてくれる、もうそれが一番ですね。それをしっかりしてくれる棟梁です。