寺社建築が好きで、喜びで、生きがいです

小さい時から建築が好きで興味があり、建築にまつわる本を読んだりしていました。父が大工をしていたのもあり、父の仕事ぶり、建てるものをずっと見ていました。

中学生の時に、法隆寺専属の宮大工である西岡常一氏を特集したテレビ番組を視聴し「これだ!」と心打たれました。「宮大工になりたい」と思うきっかけです。

About Us
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十九歳の時に奈良にある法隆寺専属の宮大工の外弟子のところで修行を始めました。

初めはまともに道具を握らせてもらえず、掃除掃除の毎日でした。しかし、私には辛抱強さがあります。小さい時から、山道を父と一緒に登り続けていました。文句も泣き言も言わず。その時の経験が、この修行の期間に活きていたなと思います。

私が修行をしていたところは、全国から宮大工を志す人が集まるところでした。

何にしてもそうですが、本を読んだり話を聞いたりして知識を得たとしても、実践しなければ本当に身につきません。大工で言えばいかに現場経験を積むかが大事です。

宮大工の現場は、一つの現場にかかる期間がとても長いです。一年、長ければ三年、それ以上かかる場合もあります。つまり、現場の数が少ないのです。

しかし、私が修行したところは現場の数が多く、それを求めて全国から宮大工志願者が集まってきました。

競争の激しい世界

たくさんの宮大工志願者たちと切磋琢磨できる環境でした。それは同時に、競争の激しい世界でもありました。

先輩、後輩ではなく実力がものをいう世界。後から入ってきたものでも、実力がつけば兄弟子よりも上の立場に立ちます。そんな中で、弟弟子に抜かれないよう、必死に食らいつき、技術を身につけてきました。

五年の修行期間を終えて独立

奈良での5年間の修行を終えて徳島に戻り、独立しました。初めは仕事がなく、苦戦する時期もありました。しかし、ひとつ一ついただく仕事を丁寧に、気持ちを込めて仕上げていくうちに、少しずついただく仕事が増え、今ではたくさんの仕事をいただけるようになりました。

父に鍛えられた辛抱強さがここでも活きているなと感じます。

四つのこだわり

木渼斗は良い材料を使うことにこだわっています。良い材料をは見る人を惹きつけます。住まう、触れる人へ心地よさを与えます。

また、良い材料を使うことで長持ちします。良い材料を使うことで初期費用は少し高くなるかもしれません。しかし、修繕の間隔や建て替えまでの期間が長くなるため、長い目で見れば費用を抑えられます。

木渼斗では良い材料を安く扱える独自の仕組みを持っています。

「ここに来れば心地よくなれる。」

来訪者にそう感じていただけることは、神社、寺院の運営の助けにもなります。

普段建物に触れる神主様、住職様の心地よさだけではなく、来訪者様にも心地よさが伝えわる仕事をします。

「あまり予算はなかったけど、思っていたよりも良いものができた。」

木渼斗を選んでいただいた方は口を揃えてそう言って下さいます。

限りある浄財をうまく活かし、想像以上のものを創り上げる。そのための技術や知識が木渼斗にはあります。

氏子様、檀家様に「寄付をして本当によかった。」と感動を与える建物を目指します。

施主である神主様、住職様のご要望をしっかりと聞きます。ご要望に対して意見や、工夫できること、もっとよくできるところがあれば、絵を描くなどしてわかりやすく伝えます。

完成してから「こんなはずじゃなかった。」と後悔していただきたくないからです。

木渼斗は対話を大事にしています。

作業風景